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ぴあのピアの徒然日記

福岡でピアノを楽しむサークル、ぴあのピアの日記です。コメントは機能していませんので、メールを頂けると助かります。

エレベーターで 

つい先日、天神であるビルのエレベーターでのこと。

マロニエ君を含めて4人ほどが乗っていましたが、そのうちの女性二人がしきりに話をしています。
一見してとても仲の良さそうな知り合いという感じでしたが、話の内容はまったく覚えていませんし、そもそも興味もありませんが、とにかくエレベーターの中で他人の存在をも憚らないほどの弾んだ会話でした。

年の頃は30代後半といった印象でしたが、まあそのへんのことはよくわかりません。
少なくともそんな感じに見えたということです。

あるタイミングで、片側の女性が相手に向かって「お住まいはどちらなんですか?」と気軽な感じで尋ねました。
(つまり住まいがどこまでかは知らないぐらいの関係なんだなとそのときわかりました。)
すると、なんと相手の女性は、なんといったらいいか、苦笑いとも冷笑ともつかない表情をするだけで、一向にその問いに答えようとしません。なにも言わないのです。
目の前のこの事態にこちらのほうが内心ギョッとしてしまい、咄嗟にこの人はそれには答えたくないらしいということがわかりました。

詳しい事情などはもちろんわかりませんが、少なくともあれだけ親しげにしゃべっておきながら、相手から住まいを聞かれて、それに答えないとはずいぶん失礼な人だな、というのがこのときの至って率直な印象でした。仮に答えたくないにしても、よくそれをその瞬間に通せるもんだと、その神経にびっくりです。

ところがそれだけではありませんでした。自分が答えないのみならず、逆に「○○さんはどちらですか?」と聞き返したのです。つまり逆襲に転じたのです。
なんと、自分の住まいがどこかは明かさないでおいて、なおかつ相手の事は聞いてやろうというわけです。
すると相手は「…西区のほうです」とだけ、たいそう消極的に答えました。
それに対して、この女性は「そうなんですね…」とだけ言って、やはり自分の住まいがどこかはとうとう言いませんでした。

まあ、それだけですが、このやりとりはいかにも今風の人間関係を表していると思いました。

いまどきの人って、とくにこのぐらいの世代の人というべきかもしれませんが、人との関わりが悲しいほどに表面的で、むやみやたらと自分のことは言いたがらなかったりします。
しかもそのガードの固さは正しいと思っているのか、心底に歪んだ快感があるのか、詳しい心理はわかりませんけれども、ちょっと病的だと思うときがあります。
マロニエ君の印象としては、「個人情報の保護」なんて言葉が飛び交うようになってから、いっそうこういった傾向に拍車がかかったように思います。

しかし、マロニエ君はまず、自分の住まいを明かさないような人とは、お付き合いはしかねると思っています。
親しくなって尚、住まいを教えたがらないような人ってろくな人はいないと思っていますし、こういう人は自分を守るつもりで、実は最も大事なものを守ることのできない人だし、他者のことも決して大事にできない人だと思うのです。

相手の女性の「…西区のほうです」というような答え方もしばしば耳にするフレーズです。

あくまでも大まかなことだけで、それ以上具体的なことは言わない、教えないという、自分の一方的な警戒感だにしか興味のないカサカサな人間です。
尤もこの女性は、相手が答えもしないのに自分だけがそれを言わされることへのささやかな抵抗として、こういう返事の仕方をしたというのは考えられますが。

こういう会話の中に現代人の利己的な暗い心の底を見るようで、ゾッとしてしまいます。
人に住まいを教えないのも、理由の武装はしているのでしょうが、なにかにつけこんな調子では、そりゃあ人間関係は希薄になるのは当然だと思います。
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2011/03/10 Thu. 01:45 | trackback: 0 | comment: 0edit

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