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ぴあのピアの徒然日記

福岡でピアノを楽しむサークル、ぴあのピアの日記です。コメントは機能していませんので、メールを頂けると助かります。

ルノーの魅力 

昨日は久しぶりの車のクラブミーティングがありました。
昼から夜にかけてほぼ12時間近い長丁場な一日でしたが、気心の知れた仲間というのは時間の経つのもあっという間です。
東区のとあるレストランで集合し、食事、移動、お茶と会話を繰り返えす一日でした。
あいにく終日の雨模様でしたが、音楽とはまた一味違う充実した時間を過ごすことができました。

夕方頃のこと、ある中古車店に入荷したというルノーのラグーナという車を見に行きましたが、その車は内外装のデザインなど日本人が逆立ちしてもできないセンスによる、まさにフランスのモードを身にまとったような造形で、なんともいえぬ垢ぬけた洒落た車でした。
店に着いた時には台風かと思わせるような猛烈な風雨が吹き荒れていましたが、しばらく店主と雑談を交わしているうちに一時的にウソのように雨が上がり、この日は諦めていた試乗をさせてもらうことに。

はじめ友人がハンドルを握り、途中からマロニエ君が運転を交代しましたが、フランス車独特のしなやかでフラットな乗り味の中にも芯の通った確乎としたポリシーが貫かれていて深い感銘を受けました。
硬軟様々な要素を併せ持ちながら、それらがバラバラになることなく完結した世界を持った車で、とにかくフランス人の作ったものは芸術作品から工業製品まで、どれも一見さりげなく見せておいて、実は奥深い知的世界が広がっているところがすべてに共通した魅力です。
フランス車といっても比較的コンパクトなボディに3Lの24バルブエンジンと5ATの組み合わせなので、非常にパワフルで、ダッシュボードにあるトラクションコントロールのスイッチをオフにすると、濡れた路面ではアクセルを強めに踏むと軽いホイールスピンを伴いながら猛然とダッシュするような一面を見せながら、全体としては非常にキメ細やかで、繊細かつダイレクト感のある身のこなしや運転フィールを持っていました。

なにげなく連想したのは、ショパンのバラードやスケルツォのような作品でした。
緻密で技巧的なものとリリックで都会的なものが混然一体となった、パリの精神と贅沢さが小ぶりな作品に圧縮されたような世界でした。
どうもマロニエ君はこういうものに弱く、すぐに惚れ込んでしまいます。

車もピアノも実物はコレクションというわけにはいかないのがなんとも残念なことです。
これがCDやミニカー程度なら迷うことなく手元に置いておきたいところですが…。
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2010/06/28 Mon. 21:34 | trackback: 0 | comment: 0edit

買えるなら今は買い時 

数日前の話。
二週間ほど前に友人の車の件で、マロニエ君が代理で中古車店にフランスのとある車を見に行った話はここに書きましたが、いよいよ友人もその気になり、いざ購入へ向けて一歩を踏み出してみると、なんとその車は前日!に売れてしまったそうでした。
時間の約束までして、出かける直前になってそれはわかりました。

もう車屋に行く予定で、友人二人がマロニエ君を迎えに来てくれて、とりあえず後部座席に乗り込んだところ、購入予定の本人はiPhoneをいじりまわしています。聞けば、目指す車が売れてしまったのでネットで探したら、神奈川県に一台安いのがあったので、なんならこの勢いで夕方から長距離バスに乗って見に行き、良かったらそのまま買って運転して帰ってくるつもりという、えらくまたやる気モードになっていてびっくり。
iPhoneをいじっているのはそのための長距離のバスの時間を調べているところでした。

しかし、そんなことをするよりその神奈川の車が今現在商品としてあるかどうかを先に問い合わせるべきでは?とマロニエ君がいいますと、友人もそれもそうだということで、とりあえず最寄りのロイヤルホストに入りました。
それでも二人はバスのことばかり言っているので、とにかく在庫確認を真っ先にするようにと再度言うと、ついに当人が店に電話をかけ始めます。
すると、そちらもすでに売れてしまったらしく万事休す。
バスの時間もなにも吹っ飛びました。あーあ。

続けて当地のディーラーに行ったところ、一台あるにはあったもののあまりいい車ではなく、それはパス。

翌日、もう一人の友人がネットで新しくアップされた車が大阪にあるのを発見したらしく、さっそく問い合わせをしたらしいのですが、こちらも一足違いで売れてしまったとのこと。

さらに別の個体を名古屋で発見。これはまだ販売できる状態のようでしたが、情報を見せてもらったところ、確かにきれいで悪くはないようだけれど、これまでのものより価格が4割ほど高くなっています。
本人は何台も取り逃がしていささか頭に血が上っているのか、それでも買うつもりになっていたようですが、ギャラリー席のマロニエ君にしてみれば、もうひとつ決め手のない車(条件をふくめての判断)だったので再考を促したところ、本人もしだいに冷静になりとりあえず静観することになりました。

このように今は不景気の折から、高い車は売れないぶん、お買い得な車は結構動きも早いようです。
とりわけ高級車や不動産など、値の張るものは、お金さえ持っていれば今は底値なので買い手市場だという話はよく耳にしますね。
ウワサでは望外の値引きなどもあるらしく、知り合いの弟さんがなかなかいいポルシェをずいぶん安く手に入れて喜んでいるとか。

それにしては、中古ピアノ(少なくともグランド)は相場維持で、そこまで破格値にはなっていないようですね。
いっぱりピアノなんていざとなれば数がしれているので、そういう経済動向には反応しないんでしょうか。
2010/06/25 Fri. 01:12 | trackback: 0 | comment: 0edit

人前演奏はこりごり 

この土日は音楽家の誕生会とピアノサークルの定例会が立て続けに行われました。

6月の誕生会はシューマンで、今回もCDはマロニエ君が準備し、交響曲、ピアノ、チェロ、ヴァイオリン各協奏曲、ピアノ五重奏はじめ室内楽、主要なピアノ曲、ヴァイオリンソナタ、歌曲集など。
だんだんに誕生会のありかたも定着してきた感があり、皆さんで思い思いのお話に花が咲きました。
飲み食いをしながら好きな音楽を聴いて、好きな話をするというのは、それだけで極楽ですね。

後半で一人がトロイメライをピアノで弾き出し、続いて店主の方が同じくトロイメライを弾き、いやな予感がしたと思ったらマロニエ君にも弾け弾けと集中砲火が浴びせられました。しかたなくマロニエ君もトロイメライを弾き、三人が三人のトロイメライを披露することになりました。あと二人ピアノを弾く方がおられましたから、マロニエ君も自分が弾いたが最後、一転して要求する側に回りましたが、そのお二人はガードが堅く、ついに弾かれませんでした。
そんなことをしながらの、あっという間の4時間でした。

翌日はピアノサークルの定例会で、今回は前半がショパンプログラムとなっていて、こちらでは後期のノクターンと死の床で書いたと言われるショパン絶筆のマズルカを弾きました。
つくづくと思い知ったのは、やはりどんなに覚悟を決めても場数を重ねても、マロニエ君には人前でピアノを弾くというのは決定的に向いていないということでした。
一人の時ならおよそ考えられないようなミスをしたりして、深い嫌悪感に苛まれます。

その一方で、ピアノサークルに来る人はやはり根本が違い、ちょっとでも、一曲でも余計に、途中まででも「弾きたい」人が大勢を占めます。こちらのピアノサークルも4時間ほどでしたが疲れましたし、ピアノはその間休む間もなく鳴りっぱなしでした。
遠方からわざわざそのために来られる方も少なくなく、その意気込みにはただただ恐れ入るばかりです。
でも、中には上手じゃなくてもハッとするような美しい瞬間を聴かせてくれる人もいて、そういうときはこちらも報われたような得をしたような気分になるものです。

ただ、個人的に思ったことは、フリータイムは言葉こそフリーではありますが、本番に比べて多少の雑談などはあっても、基本的にみなさん椅子に座って演奏を聴く態勢であることは変わらないのですから、あまり仕上がっていない曲まで持ちだして、人前でただ練習のような事をするのはどうかと思います。みんなが決められた時間・場所に集まり、お金を払ってそこでピアノを弾く以上は、上手でなくてもいいから自分なりにある程度仕上げたものという良心の一線は引くべきだと思います。
練習は基本的に一人もしくは、せいぜい練習会でするもので、あまり節度がなくなると我慢や疲れも倍増するものです。
音楽は音が出るからこその圧倒的な魅力と楽しさがありますが、そのぶん一歩間違えれば音は他人にとって苦痛や暴力にも変貌します。
そこのところを自覚したらいいと思うのですが、楽しさの基準も人それぞれでしょうから難しい問題です。

追記:もちろん、親しい皆さんとお会いできるのはいつもながら嬉しいことで、全体としてはとても楽しかったということを書き忘れていました。
2010/06/21 Mon. 12:33 | trackback: 0 | comment: 0edit

ヘンレ版のショパン 

今日は一人レッスンをしましたが、その方は拘りがあるのか、楽譜はほとんどヘンレ版の楽譜を使っています。
もちろんヘンレ版の優秀性に対しては、世界中のプロを含む数多くのユーザーがこれを認め、昔も今も高い支持を得ていることからもそれは証明されているように思います。
もちろんマロニエ君も何冊も持っていますが、値段的にも最も高価な部類ですから、大した曲ではない場合にはより安い楽譜を買ってしまうこともよくあります。

さて、そのヘンレ版ですが、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトなどでは信頼性も見やすさも抜群なのですが、ショパンとなると内容に首をかしげる点が多くあります。
原典に忠実というのもヘンレ版の大きな特徴ですから、書かれていることはそれなりの根拠のあることとは思いますが、どう見てもショパンではあまりにも納得のいきかねる点が多すぎて、混乱するばかりです。

マロニエ君自身も以前、一度だけ(というのは直感的に気が進まなかったから、それまで買わなかったのですが)ヘンレ版のショパンのワルツをお試し気分で買ってみたことがありましたが、同曲で数バージョンがあったりするのは親切でいいとしても、全体的にも細かい点でも、どうもしっくりこないで、ほとんど使わずに本棚に押し込んだままになっています。

今日レッスンでやったのはノクターンでしたが、どう考えても書かれた指示がヘンに感じたり、あきらかに音がおかしかったりと、戸惑うばかりでした。
ショパンの楽譜というのは「決定稿」がなく、それぞれの編纂者の意図が反映される作曲家だとはいえるのですが、それにしても名にし負うヘンレ版のことでもあり、これを批判することは楽譜出版の世界では神を批判するようなものかもしれませんが、私にはどうしてもおかしいとしか思えませんし、自分なら絶対にショパンでは使わないものだと思いました。

ドイツ物で見せるあの説得力や使いやすさはどこへやら、やはり根本的にショパンとドイツというのは相性がよくないのかもしれませんね。
私ならショパンはペータース版やパデレフスキ版も好きですし、全音など日本のものもわりにいいと思うのですが。それぞれは指使いや細かい指示などは違っても、大きな違いというものはないように思いますが、ヘンレ版のショパンばかりはちょっとなじめません。
そればかりか、ショパンのCDでもピアニストがヘンレ版を使っていると知ったら、あまり聴く気になれそうにもありません。
あくまで個人的な好みの問題かもしれませんが。
2010/06/18 Fri. 19:02 | trackback: 0 | comment: 0edit

CFX使用のコンサート 

当初は行く気のなかったルイサダのリサイタルですが、ヤマハの新鋭CFXを聴けるのならとチケットを買いました。

CFXはまだ正式発売はされていないにもかかわらず、日曜日に福岡で行われた小曽根真氏の出演するコンサートにも早々とこのピアノが登場したらしいので、ヤマハ主導のもとこれはというステージには、全国どこへでもこの最新ピアノを送り込んでいるのでしょうね。まるで政治家の遊説のようですね。
それにしても現実は足やペダルを付けたり外したりを繰り返しながらのトラック長距離移動ですから、やはり相当痛むでしょうね。
ヤマハに確認したところ、ルイサダのリサイタルでもやはりCFXを使用するとの確認が取れました。

Youtubeでもこのピアノを使った披露コンサートの様子を見ることができますので、多少の印象は持ちましたが、やはり本物に勝るものはありませんから、ぜひとも拝聴することにしました。

アクロスにチケットを買いに行ったついでにいろいろとチラシを物色していると、6月30日、佐賀市でケヴィン・ケナーのショパンリサイタルがあることを発見!
彼はアメリカのピアニストで、1990年のショパンコンクールでは一位なしの最高位に入賞した、それなりの人ですから、チケットも安いし行ってみようかと思いました。
ところが、チラシを良く見てみると「公演時間1時間15分」などとわざわざ「普通より短いですよ」という意味のことが書いてあり、いささか首をかしげました。
さらに聞き慣れない名前の会場をネットで調べてみると、名前はホールでも床が平らな、ただの広い部屋に近いというか、会議室に毛の生えたようなところで、キャパは200人強、ピアノはなにかと尋ねたら、ヤマハのS6ということで、この瞬間わざわざ佐賀くんだりまで聴きに行くことを断念しました。

以前もシゲルカワイのSK-5やヤマハのS6を使ったコンサートを聴いたことがありますが、合わせものならまだしも、ピアニストのソロともなると、いかにこれらのピアノが普及品より上級機種とは言ってみても、根本的な力不足は否めず、聴きごたえも半減でした。自宅用としては逸品だと思いますが、ソロで純粋に聴衆に聴かせるためのピアノとしてはまだまだ遠く及ばないものがあり、ピアノがそれだとわかり一気に気分は萎えました。

10月には前回ショパンコンクールの覇者であるラファウ・ブレハッチが、オールショパンプロを引っ提げてアクロスにやってくるようです。
でも、一番惜しかったのは、つい先ごろ北九州でやったダン・タイ・ソンのリサイタルにうっかり行きそびれたことでした。
2010/06/16 Wed. 21:33 | trackback: 0 | comment: 0edit

楽器は生き物 

我が家のピアノの整調(アクションなど様々なピアノ内の機械部分の働き具合の調整)を、とあるホールからご紹介を受けた方にお願いしていましたが、今日がいよいよその作業日でした。

午後から始まった作業は夜の9時近くまでかかり、ピアノ技術者の方のお仕事というのは高度な専門技術のみならず、すべてにおいて根気と忍耐の世界だということを再認識させられました。
その間、休みらしい休みもなく、食事もされずになんともお気の毒でもあり、申し訳なくもあり、ありがたくもありました。

今回の作業依頼の性質上、仕上げの調律のとき以外はほとんど音らしい音も出ない、ひたすら静かな作業でした。
それにしても、あの重くて持ちにくいアクションの出し入れ(いちいち横の机に運び出す)だけでも何回されたことか!
ピアノ技術者たるもの、まずもって腰が強くなければ務まらないようです。

ほぼ丸一日をかけての作業が終わり、さあいよいよ弾いてみたときに、期待値が高すぎたためか、確かによくはなっているものの、マロニエ君の反応が思わしくないと敏感に感じとられてしまったようで、こちらの期待に添えなかったという印象を与えてしまったのは、たいへん申し訳ないことをしてしまった気分でした。
そのとき感じたことは、ホールのピアノはステージ上にある限り、床以外には遮蔽物がなく、広大な空間で朗々と鳴るのに対し、家庭ではすぐ傍の壁や天井が制限となり、本来の開放的な鳴り方ができないというデメリットがあることをあらためて感じました。響きが違うと、それは勢いタッチ感にも確実に影響があるからです。

帰られてから遅い食事を済ませ、10時過ぎぐらいからちょっと集中的に弾いてみました。
実はこのピアノは普段はほとんど使っていないので、その点では半分は眠ったようなピアノだとも言えるのですが、一時間も弾いているとだんだん鳴り始めて、二時間ほど経った頃には同じピアノとは思えないほどにパワーが上がってきたのには驚きました。
まるで花のつぼみが一気に開いていくようで、鳴りだけでなく音の色艶も次々に加算されていくようです。
すると、今日の作業の結果もそれにつれて顔を出し始め、ようやくすべてが一つの流れとして収束してきたようです。
時計も12時半を過ぎたので、いくらなんでも止めにして、もう一度明日弾き込んでみようと思いました。

やはり楽器は、ただの機械ではない、生き物なんだと痛感です。
24時間除湿機を回すだけでなく、やはり適度に弾かないことには本来の力は急には出ないようですね。
とても幼稚で単純なことですが、忘れかけていたことを再度肝に銘じました。
2010/06/16 Wed. 02:34 | trackback: 0 | comment: 0edit

不景気の影 

天神に出たついでにヤマハを覗いてみましたが、チラシの棚を見ると、どうもこのところのコンサートの減少傾向には歯止めがかからないようです。
以前なら溢れんばかりにひしめき合っていた各種コンサートのチラシの大群もめっきりその量が減っていますし、チラシの中には講演だのコンクールだのに関するものもかなりあって、純然たるコンサートは数えるほどしかありません。
数年前を思い返すと、ちょっと想像もできなかったくらいお寒い状況のようですね。
時折なにか面白そうなコンサートはないかと、ネットで主要ホールのイベント案内などみても、ほとんどそれらしきものは見当たりませんし、なんであれ催しがひと月に1~2度しかない(赤字の垂れ流しと思われる)ホールがゴロゴロしています。

ちょっと前までは、プロとはとても呼べないような人が、次から次に「コンサート」という名のくだらない自己満足露出大会を日常的に企てて顰蹙をかっていたものです。文化を錦の御旗にしたこのような迷惑行為には大反対のマロニエ君ですから、これがもし良い方向にみんなの意識が正されているのならある意味では喜ばしいことですが、どうも、そうとばかりも思えません。

やはり昨今の不景気がコンサートの世界にも暗い影を落としているということのような気もします。
景気が良い時でもこの手の自主コンサートは赤字は当たり前で、いかに赤字額を小さくするかが問題というぐらいの世界でしたから、今では友人知人でお付き合いしてくれる人も見込めないということなのかもしれません。

もちろん中には、相変わらず雑草のように逞しい人もわずかに見かけはするものの、それでも曲も写真も昔の中古品の寄せ集めばかりのようで、本来あるべき新しい挑戦の姿は微塵もなく、なんとも哀れを誘います。
最近悟ったことは、止めるということは始めることより何倍もの勇気と胆力と見識が必要だということ。
止める勇気のない人は、一見我慢強く粘り強いように見えても、実際はさにあらずで非常にお気の毒だと思います。

離婚は結婚の10倍のエネルギーが要ると言われるがごとく、たしかに物事すべからくそうなんでしょうね。
婚姻関係でも、コンサートでも、よしんば趣味の活動でも、進退が大変なのは人間の欲望というものと切り離すことができないからなんだと思います。
それでもさっぱりした性分の人は比較的きれいに処理できますが、粘着質の人は、分厚い脂身のような欲の塊を我が手で切り捨てることができないから、そこが大変なんだと思います。
2010/06/12 Sat. 21:10 | trackback: 0 | comment: 0edit

中古車は今が底値? 

友人の車のエアコンが故障し、他にも不具合を抱えていたこともあり、これを機会に買い替えを検討しています。その友人が現在長期出張中なので、マロニエ君がとりあえずある中古車店に目指す車を見に行ってきましたが、いやはや驚くようなことばかりでした。

街中には珍しく、完全な輸入車専門店で、あるのはすべて中古車です。
驚いたのはその値段に対して非常に程度が良く、マロニエ君も思わず欲しくなるほどでした。
フランスの名車ですが、V6-DOHC3000cc搭載の上級モデルで、外観も少しもくたびれたところがなく、色艶もあってくっきりとした印象の車でした。いわゆる中古車のみじめさがまったくない、まだまだ若々しさの残る個体でした。

そこの店主がおかしな人で、どんなに声をかけても人の気配がなく、やむ得ず勝手に車を見ていると、やがて買い物袋を提げたそれらしき人がせわしげに戻って来ました。近所まで買い物に行っていたんだそうです。
奥に入るなりすぐに車のキーを渡してくれて、自由に車を見せてくれました。客だからといってべたべたくっついてまわらず、まずは好きなように勝手に見させるというのがこの店の粋な方針のようでもありましたが、そのうち「ちょっと食事してないので弁当を食べますから、なにかあったら声をかけてください」といわれて事務所に引っ込んでしまいました。おかげで心行くまで丹念に車をチェックすることができましたが、本当に良質な車で、それがまた信じられないほど安いのには二重の驚きでした。

店主殿と話したところでは、その店は自分一人でやっているので安くしないとみんなディーラー系の店に行き、とてもやっていけないので、敢えてそういう価格設定なんだと言っていました。
また、この店はパッと前を通ったぐらいでは車屋とはわかりにくい店構えで、倉庫のような大きなログハウス調の建物の中に10台ほどの在庫車はすべて保管してあるので、雨風や直射日光を浴びることはなく、どの車も清潔で健康そうにしているのは車好きとしてはとても好ましく感じる点です。オープンカーはオープンの状態にして展示できるのも屋内保管だからこそできることですね。
どんなにいい車でも野ざらしにされたら、日ごとにコンディションは悪化しますし、とりわけ内装材の日焼けや悪臭は対策の打ちようがなくなります。それだけにとてもいい状態でした。

さらに驚いたのは奥にあったBMWの740iで、10数年前の車ではあるものの、大事にされてきた車だけが持つ優しげで上品な佇まいがそこにあり、見るだけでも大変立派でエレガントな車でしたが、その価格はなんと39万円!?という途方もないものでした。新車当時1000万した車で、ドアの重みや閉まり方一つ、革シートの材質や高級家具のような作りこみ、ダッシュボードからドア内側に連なる上質のウッドなど、どこをとっても本物だけが醸し出す「格」の違いをまざまざと見せつけられるようでした。ピアノならさしずめスタインウェイかベヒシュタインで、それらに通じる一級品のオーラがありました。
ピアノならきっと新品時の価格の7~80%を維持していると思うと、車はどんなに高級品でも純粋な消費財だというのが痛いほどわかりました。

店主いわく、こんな値段をつけても、世の中はエコエコの時代で売れません!と言っていたのが印象的でした。
あんなにつややかで洒落ていて威厳に満ちた豪奢なリムジンが、軽自動車の1/3以下の値段とは、なんだか頭がクラクラしそうでした。やっぱり今の時代、なにかが絶対おかしいですね。
2010/06/09 Wed. 18:02 | trackback: 0 | comment: 0edit

ショパンCDの打率 

今年はショパン生誕200年ということでいろいろなCDが出ていますが、次々に肩すかしをくらうほどしっくりくる演奏がありません。ちょっと思いついただけでも以下の通りで、実際はまだあります。

●マロニエ君最愛のピアニストであるアルゲリッチも古い未発表の音源が出てきましたが、彼女の本領はショパンにはなく、とくに新鮮味はないし、初めて出たバラードの一番なども含まれているものの、これよりはるかに優れた演奏も非正規録音で存在するので、マロニエ君としては珍重するほどのものでもありません。

●以前も少し書きましたが、知る人ぞ知るフランス系カナダ人の新しいアルバムも、いかにもそつなくまとまった美しい演奏ではあるものの、「予定通りの仕事」という感じで一向に感興が沸きません。

●日本人の大変若い天才少女のCDは動画サイトで見ていた通りで、ピアノが上手いことはまあそうだろうけれども、品格に欠け、まったくマロニエ君の好みではありませんでした。ああいう演奏でショパンに触れた気には到底なれませんし、まるでコンクールか音大の試験にでも立ちあっているようでした。

●ショパンコンクールの優勝者で、今年は何枚かCDを出したアジアの青年のアルバムは、店頭の試聴盤を聴いただけで一気に興醒めして購入はおろか、聴き続ける気にもなれませんでした。どこかの音楽雑誌で、彼の今年のワルシャワでの演奏を、ショパンの音楽祭の芸術監督だった人だと思いますが、「スタンダードだが、表現に冒険がない」と切り捨てたようでしたが、まさに同感。なんの喜びも自発性もない正確なだけの恐ろしく退屈な演奏でした。

●優勝といえばクライバーンで一躍時の人となった日本人も、最近になって決勝でのショパンの1番の協奏曲と、子守歌、op.10のエチュード全曲を入れたアルバムが出ましたが、エチュードでは美しくも溌剌としたこの人の魅力が聴けてよかったものの、協奏曲では一向に生彩も覇気もなく、オーケストラとのアンサンブルもいまいちで両者共にビビったような内向きな演奏になっているのは残念でした。この一曲だけを聴いたなら、よくぞ優勝できたと不思議な気がするでしょう。

まだまだ続きます。

●昔はモーツァルトを中心とする優れた演奏でヨーロッパでも輝いていたニューヨーク生まれのピアニストも、はや壮年に達し、このところ盛んにショパンの録音をしていますが、これがまたまったくマロニエ君の理解できない、ショパン的な美しさのまるでない、無意味に美しい空虚な演奏で、聴いていて酸欠状態になりそうでした。

●フランスを代表するショピニストとしてその名を馳せる彼が、二回目のマズルカを日本で録音したものが発売されましたが、美しいところがあることはあるにしても、全体にもたつき、くだくだしく、恣意的で、前の録音のほうがまだ良かった気がします。これほど流れに乗れないショパン演奏がなぜあれほど評価されるのやら、さっぱりです。

もうこれは耐えられない!と思い、古い演奏を聴いて耳を洗うことにしました。
選んだのはモーリツ・ローゼンタールの小品集でしたが、全体のフォルムの美しさ、流れの優美さ、いかにもショパンに相応しい細部の処理や私的な響き、自然な抑揚など、さすがだと思いました。
気を良くしてコルトーに移動すると、ショパン濃度はますます上がっていくようです。細部にアレッ?思うような部分があったり曲による出来不出来が激しかったりするものの、やはりショパン演奏の原点という気がして、ようやくほっと一息つくことができました。

いろんなCDを冒険的に買うことはマロニエ君の好きなことなのですが、それでもショパンばかりは怖くてなかなか手が出せません。経験的に9割は間違いなくマロニエ君にとってはゴミになるのです。
2010/06/08 Tue. 02:29 | trackback: 0 | comment: 0edit

ヤマハの新鋭「CFX」 

ついにヤマハが高級ピアノの勝負に打って出たのですね。

長らくヤマハのコンサートグランドのモデル名であったCFがシリーズ名となり、頂点には従来のCFlllSのさらに上に位置するモデルとしてCFXというモデルを発売するようです。というか、もしかするとこのモデルが発売された時点でCFlllSはカタログからは落ちるのでしょうか。
ほかに同シリーズ小型モデルとしてCF4/CF6という二種を従えてCFシリーズは計3モデルの布陣となり、価格もCFXではスタインウェイと全く同額!という、いかにも勝負をかけてきたという印象ですね。
これまでフルコン以外ではヤマハのプレミアムピアノであったSシリーズなど、同サイズで一気に2.5倍以上(レギュラーモデルならほとんど5倍!)というかけ離れたプライスのプレミアムモデルの登場に、いったいどういう位置づけになるのやら。
マロニエ君の経験から見ても、同じメーカー/ブランド名のピアノで、ここまで強烈な価格差があるラインナップ展開というのはちょっと他に思い当たりません。ただただ驚くばかり。

それにしてもCFをシリーズ名にするなんて、特別モデルだけの名称だったカレラをシリーズ名にしてしまったポルシェみたいですね。

写真を見るとディテールに新しいデザインが施され、とくに足やペダル回りのデザインはシンプルなものになっているようです。またひときわ目を引いたのは支柱の形状およびフレームの形状が共にスタインウェイ風の放射状のものになっている点で、これには驚きとともにもう少し独自のものはなかったのかと思いました。
足はシンプルといえばシンプルでしょうが、見ようによっては却って安っぽくなっているようで、まるで靴下はかないで靴を履いているみたいでした。

ボディの内側に張る化粧盤にまで拘りを見せるあたり、ライバルもどこかが連想できるようですが、足や鍵盤の両サイドの形状、フレームに所狭しと大きく開いた丸い穴など、ウィーンのメーカーからもかなりの影響があるように感じました。

「響板の素材には厳選されたヨーロッパスプルースを採用」とあり、写真で見るとかなり白い響板なので、これも今のトレンドのようでもあり、なんとなくその音の方向が見えてくるようです。

イタリアの新興メーカーの台頭もあり、フランスの老舗もバイエルンの名門もコンサートグランドを出しましたし、ここらで「ヤマハここにあり!」という意気込みを見せつける時が来たということなのでしょうか。
マロニエ君の部屋で「CFlllSはピアノのレクサス」と評したばかりでしたが、ますますその傾向が押し進められたようです。
だったらいっそ、サイドのロゴと音叉のマークを組み合わせた、あのダサいデザインも一新したら良かったのにと思いました。音叉マークは外してロゴだけを大きくしたほうがずっと素敵だと思うのですが。

発売は7月1日とのこと。はやく実際の音を聴いてみたいものです。



2010/06/04 Fri. 03:30 | trackback: 0 | comment: 0edit

新たなプロジェクト 

過日、あるホールで弾く機会を得たピアノの調整があまりにも素晴らしかった(というかマロニエ君好みだった)ので、そこのピアノを管理しておられる技術者の方を後日ホールを通じてご紹介いただき、我が家のピアノを診ていただきたいとお願いしていたところ、今日いよいよその方に来ていただくことができました。

大ホールでS社のピアノの管理をなさるほどの方ですから、それなりの自負と誇りがおありの筈ですが、お会いしてみるとちっとも偉ぶったところのない大変きさくで、謙虚な心をお持ちの方でした。

普通ピアノ技術者というのは、初めて仕事をしていただく場合は、ピアノはどこから買ったのか、調律には誰が来ているか、製造番号は・・と立て続けな質問がまるで通過儀礼のごとくで、中には直接仕事とは関係のないような点にまで根掘り葉掘りと聞かれる場合もあり、もちろんこちらも必要なことにお答えするのはやぶさかではないものの、明らかに興味本位が透けて見える場合は少々抵抗を感じる事もあるのですが、この方にはそのようなことは皆無であるばかりか、その手の人達とは対極の場所におられる方でした。

静かに必要なことにだけ神経を集中され、やがて下された現時点での見立ては(具体的な内容は省略しますが)、マロニエ君としてもじゅうぶん納得のいく説得力のある内容で、さすがだと思いました。
今日はとりあえず一時間強ほどピアノを見て触ることで現状把握につとめられたようで、実際の作業は日を改めてお願いすることになりました。

これまでの作業でも成し得なかった新たな領域に踏み込んでいくようで、結果が楽しみです。
2010/06/02 Wed. 02:00 | trackback: 0 | comment: 0edit